「グラールの走り屋」
原生生物の巨体が力なく崩れ落ち、地震でも起きたかの様に大地が揺れた。
そしてその前に立つ人物は、
「大丈夫ですか? 旋璃亜様」
その手によって守った少女に語りかけた。
片手に雷のフォトンのダガーを持ち、ゆっくりと振り返った彼女は、<少女>旋璃亜のよく知る人物だった。
暗闇から放り出され、突如現れた強力な原生生物に襲われて、絶体絶命の危機に陥っていた旋璃亜。
手持ちの武器も動作せず、為す術もなかった彼女の前に颯爽と現れ、タイヤの様に激しく回転する妙技で敵を打ち倒したのは、旋璃亜にとって見覚えのある人物だった。
「あ、ああ。助かった。有り難う、X」
立ち上がり、とまどいながらも礼を言う旋璃亜。
目の前の人物は本当に自分の知るエックスなのか。以前とは姿が、何より種族が違っている。
決戦の地、リュクロスに向かう時は、肩までのショートカット、メイド服に似たパーツのキャストだったはずだが……。
